ヘタレな野獣
「田崎さん、大丈夫ですか?」

気付くとヨレヨレ君が私の座るソファーの前で、屈んで私と目線を合わせていた。


「・・大丈夫、ですよ?・・・」

「では、少しお話を・・・」

ヨレヨレ君の後ろに人が居て・・・
えっ?やだ私ったら、警備の人だと思っていたら、お巡りさんだったんだ。


「・・・何の話、ですか?」
「、ですから!あなた、さっき襲われたんですよね?」

何?このお巡りさん、デリカシーってものが、無い訳!?

「その事で、詳しくお聞きしたいのですが?」
「・・・・・」
「只今の時刻、19時00分
ではまず、何故あなたはこの部屋の隣の部屋で・・・」


これが事情聴取、なの?
何も悪い事してないのに、こんな人を責めるような口調で・・・


助けを求めるようにヨレヨレ君に視線を送っても、彼は少し首を上下に動かすだけで・・・


なんで私がこんな目に合わなきゃなんないの?


・・・ちょっと待って?
っ!!!
えっ?ここに警察がいるって事は、まさか、下柳・・・
逮捕とかされちゃったの?


「あの!一つ、聞いても良いですか?」


大体の質問も終わった時、私は聞かずには居られなかった。


「しっ、下柳は、一体どうしてるんです、か・・?」







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