ヘタレな野獣
会社からのタクシーの中、居心地が悪かったのも、きっと無意識に体を固くしていたから・・・
玄関のドアに鍵をかけ、真っ暗なリビングに足を向ける。
電気も点けず、廊下からの灯りを頼りにソファーに近付く。
そのままゆっくりと腰を下ろす。
「痛っ・・・」
下柳に掴まれたとこが痛い。
「・・・クッ・・・ウゥウッ・・・」
なんでこんな目に合わなきゃなんないの?
私は独りきりの部屋で、声を殺して泣いた。
悔しい、悔しい・・・
だから私は、下柳から逃げない、納得のいく理由を聞くまでは奴から逃げたくない。
奴は正君、あなたと一体どんな関係だったの、・・・
あの頃、正君に、一度だけ、別れ話を切り出された事があった。
理由を聞いても、ただ別れてくれの一点張りだった。
『俺みたいなのがとこの彼氏だなんて・・・その内きっと、とこに迷惑がかかる』
そんな事、言っていた。
でも、白黒ハッキリしないと前に進めない私は、決して首を縦に振らなかった。
あの時、他に好きな人が出来たとか、もう好きじゃないとか、言われていたら、彼の望むように、別れていた、と思う。
そうしたら彼は死なずに済んだのかも知れない。
ごめんね?正君・・・ごめん
ソファーにもたれながら、泣き疲れていつの間にか眠ってしまった私は、自分のしゃくりあげる声で目が覚めた。
玄関のドアに鍵をかけ、真っ暗なリビングに足を向ける。
電気も点けず、廊下からの灯りを頼りにソファーに近付く。
そのままゆっくりと腰を下ろす。
「痛っ・・・」
下柳に掴まれたとこが痛い。
「・・・クッ・・・ウゥウッ・・・」
なんでこんな目に合わなきゃなんないの?
私は独りきりの部屋で、声を殺して泣いた。
悔しい、悔しい・・・
だから私は、下柳から逃げない、納得のいく理由を聞くまでは奴から逃げたくない。
奴は正君、あなたと一体どんな関係だったの、・・・
あの頃、正君に、一度だけ、別れ話を切り出された事があった。
理由を聞いても、ただ別れてくれの一点張りだった。
『俺みたいなのがとこの彼氏だなんて・・・その内きっと、とこに迷惑がかかる』
そんな事、言っていた。
でも、白黒ハッキリしないと前に進めない私は、決して首を縦に振らなかった。
あの時、他に好きな人が出来たとか、もう好きじゃないとか、言われていたら、彼の望むように、別れていた、と思う。
そうしたら彼は死なずに済んだのかも知れない。
ごめんね?正君・・・ごめん
ソファーにもたれながら、泣き疲れていつの間にか眠ってしまった私は、自分のしゃくりあげる声で目が覚めた。