ヘタレな野獣
昨日今日入ったばかりの部外者に、それぞれの事情なんて解るはずが無い。

なのにどうして執拗に介入して来るのか、私には理解できなかった。


「関係、無い、ですか、・・・」

明らかに顔色を変え、切なげに私を見るヨレヨレ君。

その視線に堪えられなくて、私は下を向いた。


私を利用した・・・くせに・・
そんな顔で見ないでよ・・・



「・・・どこに行けばいいの?」

早く帰って欲しかった。

「えっ?」
「だから!明日、なんでしょ?
私はどこに行けばいいの?」
「・・・昼を回った頃、迎えに来ます」
「分かった、じゃ、お休みなさい、私疲れてるから・・・」

玄関の扉を開いて外へと誘う。


ヨレヨレ君は何か言いたげであったが、有無を言わせぬ私の態度に、黙って帰っていった。



私、何やってんだろう、彼に八つ当たりしたって仕方の無い事なのに・・・


こんな私は、大っ嫌いだ・・・




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