ヘタレな野獣
もう何人か集まってるよ、お父さんはそう言いながら、二階を指差した。
「その前に、私、正君とお父さんに、お話・・・いえ、報告があります・・・少し、お時間いいですか?」
「ん?どうしたんだい、改まって・・・
じゃ、アレがいる、仏間に行こうか」
そして私達は、襖を開けた。
座布団を勧められたが、それには従わず、直球で、切り出した。
「お父さん、やっと・・・
やっと正君を思い出に出来る時が来ました。
私・・・好きな人が・・・出来ました」
「っ!・・・そうか、そうかそうか。やっと、前に進み出したか、・・・
いや、よかった、本当によかった。
なぁ正直、良かったなぁ」
お父さんは満面の笑みを浮かべて、仏壇に飾られている正君の遺影に向かって、話し掛けながら、ろうそくの火で線香に火を点けおりんを一つ二つと鳴らした。
「一つ、聞いてもいいかな?」
えっ?
私は黙ったままお父さんを見た。
「その、とこちゃんが好きな人は、とこちゃんから好きになったの?」
視線を反らさず、ゆっくり頷いた。
「その人もとこちゃんを・・・」
「・・・どうでしょうか、もしかしたら、私の片想いかもしれません・・・」
「その前に、私、正君とお父さんに、お話・・・いえ、報告があります・・・少し、お時間いいですか?」
「ん?どうしたんだい、改まって・・・
じゃ、アレがいる、仏間に行こうか」
そして私達は、襖を開けた。
座布団を勧められたが、それには従わず、直球で、切り出した。
「お父さん、やっと・・・
やっと正君を思い出に出来る時が来ました。
私・・・好きな人が・・・出来ました」
「っ!・・・そうか、そうかそうか。やっと、前に進み出したか、・・・
いや、よかった、本当によかった。
なぁ正直、良かったなぁ」
お父さんは満面の笑みを浮かべて、仏壇に飾られている正君の遺影に向かって、話し掛けながら、ろうそくの火で線香に火を点けおりんを一つ二つと鳴らした。
「一つ、聞いてもいいかな?」
えっ?
私は黙ったままお父さんを見た。
「その、とこちゃんが好きな人は、とこちゃんから好きになったの?」
視線を反らさず、ゆっくり頷いた。
「その人もとこちゃんを・・・」
「・・・どうでしょうか、もしかしたら、私の片想いかもしれません・・・」