ヘタレな野獣
「タケ坊から、聞いたよ。
とこちゃんの相手が、タケ坊だって・・・」



「おじさん、すみませんが僕達三人にして貰えませんか・・・」



さっ、三人?・・・



でもお父さんはヨレヨレ君の言葉の意味を素早く察して、何も言わずにこの部屋を出て行った。



「どこから話せばいいのかな・・・」



シンと静まり返った仏間で、その静寂を破ったのは、ヨレヨレ君だった。




「・・・・・」




聞きたい事は山ほどあるのに、言葉にならなくて、黙ったまま、仏壇に飾られている正君の遺影を眺めていた。



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