ヘタレな野獣
「・・・田崎補佐、雨宮課長ってどんな感じなんすか?」
武田君が聞いてきた。
「どんなって・・・?」
パワーポイントで、作成した資料を捲りながら武田君に返した。
「なんつったらいいか、よく分かんないんすけど、前に聞いてた人物像と随分とかけ離れてる感じがするんすよね」
資料を捲る指が止まる。
「かけ離れてる?」
武田君の言葉を繰り返す。
「・・・でもまぁ、内心はホッとしたんすけどね?だってそうでしょ?
どんな鬼軍曹かと思いきや、全然そんな感じじゃないし、田崎補佐もそう思うっしょ?」
・・・どう返答していいか分からない。
暫くして依然顔色の悪いヨレヨレ君が戻って来た。
「課長・・・大丈夫っすか?」
一向に改善しないヨレヨレ君の顔色に、私達の心配も高まる。
「大丈夫、です。少しジッとしていれば治ります。
田崎補佐、申し訳ありませんが、プレゼンは・・・」
「分かってます、そんな事より・・・」
コンコンコンッ
「お待たせして致しました、こちらでございます」
先程案内してくれた女子社員が、立っていた。
「僕は大丈夫なので、プレゼンお願いします」
私達は具合の悪いヨレヨレ君をその場に残して、会場へ足を向ける。
長い廊下の先にある、会場となる会議室へ通された。
「時間が圧してしまって、悪かったね、随分と待ったのではないかね」
担当部長が言ったその言葉に、何故か私は皮肉を言われているように感じた。
「いえ、お気遣い頂きありがとうございます。
では、僭越ではございますが始めさせて頂きます」
持参したプロジェクターを武田君が急いセッティングする。
その間に私は資料を担当者に配る。
いつもの役割分担。
武田君が聞いてきた。
「どんなって・・・?」
パワーポイントで、作成した資料を捲りながら武田君に返した。
「なんつったらいいか、よく分かんないんすけど、前に聞いてた人物像と随分とかけ離れてる感じがするんすよね」
資料を捲る指が止まる。
「かけ離れてる?」
武田君の言葉を繰り返す。
「・・・でもまぁ、内心はホッとしたんすけどね?だってそうでしょ?
どんな鬼軍曹かと思いきや、全然そんな感じじゃないし、田崎補佐もそう思うっしょ?」
・・・どう返答していいか分からない。
暫くして依然顔色の悪いヨレヨレ君が戻って来た。
「課長・・・大丈夫っすか?」
一向に改善しないヨレヨレ君の顔色に、私達の心配も高まる。
「大丈夫、です。少しジッとしていれば治ります。
田崎補佐、申し訳ありませんが、プレゼンは・・・」
「分かってます、そんな事より・・・」
コンコンコンッ
「お待たせして致しました、こちらでございます」
先程案内してくれた女子社員が、立っていた。
「僕は大丈夫なので、プレゼンお願いします」
私達は具合の悪いヨレヨレ君をその場に残して、会場へ足を向ける。
長い廊下の先にある、会場となる会議室へ通された。
「時間が圧してしまって、悪かったね、随分と待ったのではないかね」
担当部長が言ったその言葉に、何故か私は皮肉を言われているように感じた。
「いえ、お気遣い頂きありがとうございます。
では、僭越ではございますが始めさせて頂きます」
持参したプロジェクターを武田君が急いセッティングする。
その間に私は資料を担当者に配る。
いつもの役割分担。