ヘタレな野獣
えぇえええ???

嘘・・・

「だから、僕、誘われてるのかと・・・」

そう言って、ヨレヨレ君は勢いよく布団に逆戻りした。

「さっ、誘うだなんて、私」

そうよ、私はそんな女じゃないし!

「・・・でも田崎さん、僕にキス、したでしょ?」


カァアアァア!!!

ねっ、寝てたんじゃないの?

「あっ、あれは不可抗力、まさかあんなに引っ付かれてるなんて思わなくて!」
「あぁあ、それでぇ、微かに触れただけだったから・・・」

シーツに頬を乗せ、完全に私の方を向いてジッと見てる。

こんな時、どんなリアクションとればいいんだか・・・

ねぇ、と私の頬を突つきだしたヨレヨレ君。

やだぁ、またドキドキしてきたじゃんか

「田崎さんって、横顔、綺麗ですね」

はああぁあ!?

そんな事言われたの、初めてだし・・ってか、何なんだよこの男、最初と全く感じが変わってるじゃんか!


どぎまぎしながらあぁだこぅだと考えてたら、いつの間にかヨレヨレ君が、私の真上にいた。


っ!!!!!


何?

ヤバいって、私ダメだわ、鼓動が凄くて心臓止まりそうだし・・・

「チャンとしたキス、していいですか?」

プッチィ~ン、何かが私の中で、キレた。
< 39 / 148 >

この作品をシェア

pagetop