ヘタレな野獣
エレベーターのボタンを押すも、なかなか来ない。痺れを切らし、階段を駆け降りる。
履き馴れたパンプスで階下を目指す。
一階にたどり着いた時には息が上がり、肩で息をしていた。
はぁはぁはぁ・・・
「冬子さん、こっちです」
道路を挟んだ向こう側、こちらに背を向けながらガードレールに腰掛けているヨレヨレ君。
ヒラヒラ手を振りニコニコしながら立ち上がり、こちらに歩いてくる。
「・・・普段の冬子さんて、こんな感じなんですね」
よく似合ってますよ、ニッコリ笑いながらそんなセリフ吐かないでよ、なんて返せばいいのか分からなくなる。
「じゃ、行きましょうか、」
そう言って、私に左手を差し出すヨレヨレ君・・・
あの、この手は何なんでしょうか・・・
リアクションに困り、ただ彼の左手をジッと見ていると、それが動いて私の右手をとる。
「ほら、早く」
「っ!!!」
ダメだ、またときめいてしまった。
複合施設にある映画館だからなのか、映画の日でもないのに人でごった返っていた。
「何を観ましょうか」
上映中のパネルを見ていたらヨレヨレ君が私の顔の近くに自分のそれを近付けてきた。
一瞬、身を引きそうになったけど、反対側に人の気配がして、止まる事が出来たが、ちっ、近くないですか?雨宮君・・・
恋愛もの?それともアクション?、なんて、マジマジとパネルに見入るヨレヨレ君の横顔に、私は魅入ってしまった。
「どうしますか?冬子さん」
履き馴れたパンプスで階下を目指す。
一階にたどり着いた時には息が上がり、肩で息をしていた。
はぁはぁはぁ・・・
「冬子さん、こっちです」
道路を挟んだ向こう側、こちらに背を向けながらガードレールに腰掛けているヨレヨレ君。
ヒラヒラ手を振りニコニコしながら立ち上がり、こちらに歩いてくる。
「・・・普段の冬子さんて、こんな感じなんですね」
よく似合ってますよ、ニッコリ笑いながらそんなセリフ吐かないでよ、なんて返せばいいのか分からなくなる。
「じゃ、行きましょうか、」
そう言って、私に左手を差し出すヨレヨレ君・・・
あの、この手は何なんでしょうか・・・
リアクションに困り、ただ彼の左手をジッと見ていると、それが動いて私の右手をとる。
「ほら、早く」
「っ!!!」
ダメだ、またときめいてしまった。
複合施設にある映画館だからなのか、映画の日でもないのに人でごった返っていた。
「何を観ましょうか」
上映中のパネルを見ていたらヨレヨレ君が私の顔の近くに自分のそれを近付けてきた。
一瞬、身を引きそうになったけど、反対側に人の気配がして、止まる事が出来たが、ちっ、近くないですか?雨宮君・・・
恋愛もの?それともアクション?、なんて、マジマジとパネルに見入るヨレヨレ君の横顔に、私は魅入ってしまった。
「どうしますか?冬子さん」