ヘタレな野獣
このタイミングで?
「劇場のトイレ、多分、いえ、凄く混んでると思うんです、ですから・・・」
あっ・・・そっか、
「そっ、そうね、そうよね、分かった、行ってくる、で、どこに・・「ここです、僕は下に降りていますから・・・」
あははっ、どんな会話してんだか・・・
じゃ、とそう言って、ヨレヨレ君は階段を降りていく。
目の前のドアを開けて中に入り、一息つく。
鏡の前に立ち、ジッと自分の顔を観察する。
ピンク色に頬を染めた、この女は一体誰なんだ。
参ったな、ホントにヤラレてる、この顔は誰が見ても恋する女の顔だ。
化粧直しもして、下に降りていくと、ヨレヨレ君とマスターが何やら楽しそうに話していた。
「じゃマスター、また旨い肉、食わせて下さい」
私に気付いたのか、マスターにそう言って店のドアを開け、私を手招きした。
「じゃあねぇ、彼女!あなたもまた来なさいよね、待ってるわ」
私は軽く会釈をして、彼と一緒に店を出た。
「ねぇ、いくら、だった?」
私は財布を出そうと鞄を漁りながらヨレヨレ君に声をかけ、立ち止まった。
「いいですよ」
「は?いい訳ないじゃない、ほら、いくら?」
自分の男でもない人に奢って貰うなんて、あり得ないし!
でも、何だか煮え切らないヨレヨレ君の態度。
「雨宮君、?」
「・・・実は、・・マスターの奢りだそうです。何でも僕が初めて女性同伴で来店した記念だそうです・・・」
「劇場のトイレ、多分、いえ、凄く混んでると思うんです、ですから・・・」
あっ・・・そっか、
「そっ、そうね、そうよね、分かった、行ってくる、で、どこに・・「ここです、僕は下に降りていますから・・・」
あははっ、どんな会話してんだか・・・
じゃ、とそう言って、ヨレヨレ君は階段を降りていく。
目の前のドアを開けて中に入り、一息つく。
鏡の前に立ち、ジッと自分の顔を観察する。
ピンク色に頬を染めた、この女は一体誰なんだ。
参ったな、ホントにヤラレてる、この顔は誰が見ても恋する女の顔だ。
化粧直しもして、下に降りていくと、ヨレヨレ君とマスターが何やら楽しそうに話していた。
「じゃマスター、また旨い肉、食わせて下さい」
私に気付いたのか、マスターにそう言って店のドアを開け、私を手招きした。
「じゃあねぇ、彼女!あなたもまた来なさいよね、待ってるわ」
私は軽く会釈をして、彼と一緒に店を出た。
「ねぇ、いくら、だった?」
私は財布を出そうと鞄を漁りながらヨレヨレ君に声をかけ、立ち止まった。
「いいですよ」
「は?いい訳ないじゃない、ほら、いくら?」
自分の男でもない人に奢って貰うなんて、あり得ないし!
でも、何だか煮え切らないヨレヨレ君の態度。
「雨宮君、?」
「・・・実は、・・マスターの奢りだそうです。何でも僕が初めて女性同伴で来店した記念だそうです・・・」