今日も世界は回ってる
拳を握り締め、博士に向かっていく2人。

しかし。

「ただただ無謀に、貴様らの前に姿を晒すと思ったか」

博士は白衣のポケットから出したスイッチを押す。

同時に。

「!!」

本城の、十文字の足首を摑む、打ち捨てられた亡骸達。

「ま、まだ生きていたのか」

「生きていた、とは何だ?」

十文字の言葉を、博士は嘲笑う。

「言っただろう、人間ではないと。手足が千切れても、信号さえ送ればそいつらはまだ動く。本人の意思とは関係なく、詰め込まれた機械が可動してな。尤も、痛みや苦しみは伴うかもしれんが」

「っ…!」

無機質なMHの顔に、怒りが浮かぶ。

そんな2人に組み付きながら。

「コロシテ…」

博士によって無理矢理に戦闘を強いられた改造人間達は呻く。

「コロスデモ、コワスデモイイカラ…モウネムラセテ…!」

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