雫に溺れて甘く香る
ウチって……私の部屋?
や、この場合……。
「え。工藤さん続木の家に行くの? え? 何、つきあっ……」
厨房から出て来た中野さんの言葉は、篠原さんにフキンをぶつけられて途切れた。
私は私で、続木さんに抱えられる様に店を出る。
「ちょっ……待って!」
「待ってもいい事がない」
「はぁ!? 何を言っ……」
続木さんは立ち止まり、じっと見下ろしてくる。
「待ってても……お前はいつも何も言わない」
どこか冷たくて、どこか寂しそうな瞳で……そして真剣な視線に、目が離せなくなって。
息が、続かなく……。
「続木さ……」
言いかけた言葉が、唇によって塞がれた。
思わずしがみつくと、抱きしめられる。
チョコレートに似た甘いかおり。思いきり吸い込んでいたら、サラサラと髪を直してくれた。
「……うちに来い。聞いてやるから」
続木さんはいつも偉そうな口調だ。
ちょっとだけ苦笑して頷いた。
や、この場合……。
「え。工藤さん続木の家に行くの? え? 何、つきあっ……」
厨房から出て来た中野さんの言葉は、篠原さんにフキンをぶつけられて途切れた。
私は私で、続木さんに抱えられる様に店を出る。
「ちょっ……待って!」
「待ってもいい事がない」
「はぁ!? 何を言っ……」
続木さんは立ち止まり、じっと見下ろしてくる。
「待ってても……お前はいつも何も言わない」
どこか冷たくて、どこか寂しそうな瞳で……そして真剣な視線に、目が離せなくなって。
息が、続かなく……。
「続木さ……」
言いかけた言葉が、唇によって塞がれた。
思わずしがみつくと、抱きしめられる。
チョコレートに似た甘いかおり。思いきり吸い込んでいたら、サラサラと髪を直してくれた。
「……うちに来い。聞いてやるから」
続木さんはいつも偉そうな口調だ。
ちょっとだけ苦笑して頷いた。