雫に溺れて甘く香る
「抱かれてる時以外にも意志表示しろ、お前」
間違いなく責められているらしい。
しかも、考えれば考えるほど何か理不尽な気がする。
これはアレですか。私の気持ちが見えないと……そうおっしゃる訳ですか?
お互いにムッとした顔で睨みあった。
「そんな事を言われたって、私だって自信ないもの!」
「何がだよ」
「好きだって言われてないし。一緒にいても……続木さん、抱くだけ抱いて帰っちゃうし!」
「惚れた女抱いて何が悪い」
「開き直らないでよ!」
だいたい何!? “好き”だって言ってもくれない癖に!
惚れた女だの、なんだのと、よく淡々と言える……。
「んん?」
惚れられてるの?
黙り込んで続木さんを見ると、冷たい視線を保ったまま、くわえた煙草に火をつけた。
「何か言いたい事は?」
「うーん……」
天井を睨みながら眉を寄せる。
そうか、私は惚れらているって事には間違いはないんだ。
うん。それなら問題は無いかも知れないね。
わがまま言っても無言でいても、貴方は文句を言いそうで、さじ加減が難しそうだけど。
ふぅ……と息を吐き出して、小さく苦笑した。
「……馬鹿だよねー」
「馬鹿だな」
「でも……続木さんも、馬鹿だと思うんだけど?」
持っていたビールの缶をベッドに転がして、傍らにあった肩に頭を乗せる。
まぁ……いいかな。
今まであった不満も……ちょっと素直じゃない私たちには、きっとお似合いなんじゃないかな。
こんな続木さんだし、そんな私だし。
お互い、触れる事で確かめ合うのが慣れてしまっているのかも。
目を瞑ると、頬にかかった髪を続木さんはそっとかき上げる。
間違いなく責められているらしい。
しかも、考えれば考えるほど何か理不尽な気がする。
これはアレですか。私の気持ちが見えないと……そうおっしゃる訳ですか?
お互いにムッとした顔で睨みあった。
「そんな事を言われたって、私だって自信ないもの!」
「何がだよ」
「好きだって言われてないし。一緒にいても……続木さん、抱くだけ抱いて帰っちゃうし!」
「惚れた女抱いて何が悪い」
「開き直らないでよ!」
だいたい何!? “好き”だって言ってもくれない癖に!
惚れた女だの、なんだのと、よく淡々と言える……。
「んん?」
惚れられてるの?
黙り込んで続木さんを見ると、冷たい視線を保ったまま、くわえた煙草に火をつけた。
「何か言いたい事は?」
「うーん……」
天井を睨みながら眉を寄せる。
そうか、私は惚れらているって事には間違いはないんだ。
うん。それなら問題は無いかも知れないね。
わがまま言っても無言でいても、貴方は文句を言いそうで、さじ加減が難しそうだけど。
ふぅ……と息を吐き出して、小さく苦笑した。
「……馬鹿だよねー」
「馬鹿だな」
「でも……続木さんも、馬鹿だと思うんだけど?」
持っていたビールの缶をベッドに転がして、傍らにあった肩に頭を乗せる。
まぁ……いいかな。
今まであった不満も……ちょっと素直じゃない私たちには、きっとお似合いなんじゃないかな。
こんな続木さんだし、そんな私だし。
お互い、触れる事で確かめ合うのが慣れてしまっているのかも。
目を瞑ると、頬にかかった髪を続木さんはそっとかき上げる。