雫に溺れて甘く香る
「お前って、本当に俺に対して期待が薄いよな」
言葉や口調だけ聞くと文句なのに、眼は笑っていて混乱する。
え。冗談? 真面目な話? どっち?
目の前がぐるぐるきてきたんだけど。
「……それは、何か期待してもいいってこと?」
一緒に住む。家に住む。将来的には……と、なったら、何だか選択肢が随分限られてくるけど?
「俺も新店舗オープンで貯金切り崩してるから、今すぐどうこうってわけでもないけど。また貯めるし」
「続木さんて、貯金してるんだ」
まず、その事に驚きだ。
「まぁまぁ投資もしてる。俺、あんま金使わねぇし、勝手に貯まるぞ?」
ああ。あなたの嗜好品って言ったら煙草くらいだもんね。
お酒もたくさん飲む方じゃないし、出せば“嫌いだ”とぶつくさ言いながら人参も食べる。
……って、言うかさ。
「な、なんで、そんな具体的な事をいきなり言うの!?」
「いや。お前って夢見がちじゃ無さそうだし。現実的な事を言った方が納得しそうだから」
納得……納得って……。
これは何、説得なわけ?
笑みを含んだ視線に真面目な顔を返しながら、眉を寄せる。
「突然すぎて話についていけない。貴方がうちに来るようになったのも、そんなに前の話じゃないのに」
「時間が問題か?」
それはわからないけど。
「意外に思うことが多すぎて、なんとも言えない」
「そうなんだろうな。お前は相変わらずだし」
「だから、人のこと言えんの? とりあえず、どうしていきなり将来的なことを考え始めたのか教えて」
軽く睨んだら、続木さんは首を傾げながら頷いた。
言葉や口調だけ聞くと文句なのに、眼は笑っていて混乱する。
え。冗談? 真面目な話? どっち?
目の前がぐるぐるきてきたんだけど。
「……それは、何か期待してもいいってこと?」
一緒に住む。家に住む。将来的には……と、なったら、何だか選択肢が随分限られてくるけど?
「俺も新店舗オープンで貯金切り崩してるから、今すぐどうこうってわけでもないけど。また貯めるし」
「続木さんて、貯金してるんだ」
まず、その事に驚きだ。
「まぁまぁ投資もしてる。俺、あんま金使わねぇし、勝手に貯まるぞ?」
ああ。あなたの嗜好品って言ったら煙草くらいだもんね。
お酒もたくさん飲む方じゃないし、出せば“嫌いだ”とぶつくさ言いながら人参も食べる。
……って、言うかさ。
「な、なんで、そんな具体的な事をいきなり言うの!?」
「いや。お前って夢見がちじゃ無さそうだし。現実的な事を言った方が納得しそうだから」
納得……納得って……。
これは何、説得なわけ?
笑みを含んだ視線に真面目な顔を返しながら、眉を寄せる。
「突然すぎて話についていけない。貴方がうちに来るようになったのも、そんなに前の話じゃないのに」
「時間が問題か?」
それはわからないけど。
「意外に思うことが多すぎて、なんとも言えない」
「そうなんだろうな。お前は相変わらずだし」
「だから、人のこと言えんの? とりあえず、どうしていきなり将来的なことを考え始めたのか教えて」
軽く睨んだら、続木さんは首を傾げながら頷いた。