雫に溺れて甘く香る
どうしてこの人がいいのか。どうしてこの人じゃ無くちゃいけないのか。
明確な答えなんて無いけれど、声が似ている他の人と比べたて、やっぱり何か違うなぁと感じたのも確かで……。
きゅっと彼のジャケットを掴むと、続木さんはふっと息を吐く。
「……気まずいのは確かだけどな。もともとかなりすれ違っていた」
それは何となく気づいていた。けど、それはあまり理由にならない。
本当に、本当の意味で私が悪いんだ。
無言でいたら、いつの間にか俯いていた顎を片手で上げられた。
「そうか。お前はそんな感じだよな、いつも」
「え?」
「とにかくいなくなった。帰ろう」
振り返るとじゃれあっていた彼らはいなくなっていて、何となくホッとしてしまう自分がいて顔をしかめる。
「私って、嫌な女……」
ポツリと呟くと、続木さんはまた私の頭をくしゃくしゃにかき混ぜた。
「それは違う。これは俺が悪いんだ」
「違うよ。わかっていながら誘ったのは私だったでしょう?」
「違う。きっと俺の方が先だ。だけど俺は後悔してないし、するつもりはない」
“きっと俺の方が先”?
よく……わからない。
わからないけど、彼に促されるままに歩き始め家に帰る。
お互いに何も言わずに寝る用意をすると、何もせずにベッドに横たわった。
……私も後悔はしていない。
してはいないけれど、罪悪感がつきまとう。
私が最後に見た彼女の表情。
驚きの中に隠れていたけれど、あれは紛れもなく、傷ついた時の視線だったから……。
明確な答えなんて無いけれど、声が似ている他の人と比べたて、やっぱり何か違うなぁと感じたのも確かで……。
きゅっと彼のジャケットを掴むと、続木さんはふっと息を吐く。
「……気まずいのは確かだけどな。もともとかなりすれ違っていた」
それは何となく気づいていた。けど、それはあまり理由にならない。
本当に、本当の意味で私が悪いんだ。
無言でいたら、いつの間にか俯いていた顎を片手で上げられた。
「そうか。お前はそんな感じだよな、いつも」
「え?」
「とにかくいなくなった。帰ろう」
振り返るとじゃれあっていた彼らはいなくなっていて、何となくホッとしてしまう自分がいて顔をしかめる。
「私って、嫌な女……」
ポツリと呟くと、続木さんはまた私の頭をくしゃくしゃにかき混ぜた。
「それは違う。これは俺が悪いんだ」
「違うよ。わかっていながら誘ったのは私だったでしょう?」
「違う。きっと俺の方が先だ。だけど俺は後悔してないし、するつもりはない」
“きっと俺の方が先”?
よく……わからない。
わからないけど、彼に促されるままに歩き始め家に帰る。
お互いに何も言わずに寝る用意をすると、何もせずにベッドに横たわった。
……私も後悔はしていない。
してはいないけれど、罪悪感がつきまとう。
私が最後に見た彼女の表情。
驚きの中に隠れていたけれど、あれは紛れもなく、傷ついた時の視線だったから……。