雫に溺れて甘く香る
「濡れた女が、こんなに色っぽいとか思ってなかった。髪がペッタリ頬に張り付くように乱れていて、スーツの下のブラウスも濡れていてレースも見えていたのに、頓着してなくて……」
え。そうだったの?
それってちょっと恥ずかしい。
言ってくれたら……いや、言われたら困るけど。
「普通なら保護欲そそられそうなもんだが、眼だけは力強くて。興味深そうに見返された時に思ったのは“抱きたい”って思いだけでな」
見たこともない微笑みを浮かべながら、そんなことを言われても。
……色んな意味で本当に困るんだけど。
「だけど襲うわけにもいかないし、とりあえず遠ざけておけば通りすがりで終わるだろう? だけどそうはならなかったんだよな」
私を見ながら、目の前の私を見ていない続木さんは、ふっと視線があった瞬間にパッと横を向いた。
「だから。俺の方が先なんだ。つきあってる女がいながら、他の女に反応するとか、あり得ない」
横を向きながらボソボソと呟く彼を見ながら、両手で頬を押さえる。
……頬が熱い。
あの時、私は背が高い人だなって思った。そしてとても綺麗だと思ったのよ。
綺麗な眼をしている人だな……って。
「最低だろ。前の女と別れてもいないのに、お前に手を出すとか。それもこれも我慢出来なかった俺が悪い。突っぱねる事だって出来たんだし」
ブツブツ呟いてる彼に、ますます体温が上昇していくのがわかる。
わかるけど、どうしよう?
え。そうだったの?
それってちょっと恥ずかしい。
言ってくれたら……いや、言われたら困るけど。
「普通なら保護欲そそられそうなもんだが、眼だけは力強くて。興味深そうに見返された時に思ったのは“抱きたい”って思いだけでな」
見たこともない微笑みを浮かべながら、そんなことを言われても。
……色んな意味で本当に困るんだけど。
「だけど襲うわけにもいかないし、とりあえず遠ざけておけば通りすがりで終わるだろう? だけどそうはならなかったんだよな」
私を見ながら、目の前の私を見ていない続木さんは、ふっと視線があった瞬間にパッと横を向いた。
「だから。俺の方が先なんだ。つきあってる女がいながら、他の女に反応するとか、あり得ない」
横を向きながらボソボソと呟く彼を見ながら、両手で頬を押さえる。
……頬が熱い。
あの時、私は背が高い人だなって思った。そしてとても綺麗だと思ったのよ。
綺麗な眼をしている人だな……って。
「最低だろ。前の女と別れてもいないのに、お前に手を出すとか。それもこれも我慢出来なかった俺が悪い。突っぱねる事だって出来たんだし」
ブツブツ呟いてる彼に、ますます体温が上昇していくのがわかる。
わかるけど、どうしよう?