雫に溺れて甘く香る
***
「ところで、なんでいきなりスーツ着ていたの?」
彼に抱きしめられたまま、襲ってくる気だるさにうつらうつらしていたけど、どうしても気になることを聞いてみた。
理解できないことも多いけど、続木さんには続木さんなりの行動規準があるはすだ。
今はそのスーツはクローゼットの中に辛うじて吊るされているけど。
でも、言わなかったらぽい投げしていただろうなぁ。
考えていたら、彼がクスッと笑った気がした。
「さすがに、普段着でプロポーズしたら……怒るかと思った」
……うん?
まぁ、そうかも。さすがの私でもパーカーにスウェットパンツでプロポーズされたら……怒っただろうねぇ。
「それから、俺がちゃんとした格好でプロポーズしているのに、お前が普段着のままなら、それも怒ると思った」
「ああ……」
それで“お洒落しておけ”だったのか。
確かにスーツ着た続木さんにプロポーズされた私が、トレーナーとジャージ姿だったら、すこし間抜けすぎて泣けていたかもしれない。
「後は……場所に怒るかと思ったから、一応、ホテルでも行こうかと予約はしていた」
「へ?」
一瞬、目が覚めた。ホテルの予約?
「24日は無理だとしても、25日の空きは案外簡単に確保できるんだが……さすがにそれはキャンセルしてもいいか?」
……ホテルの予約かぁ。ちょっぴりそそられるものもあるけど。
「ところで、なんでいきなりスーツ着ていたの?」
彼に抱きしめられたまま、襲ってくる気だるさにうつらうつらしていたけど、どうしても気になることを聞いてみた。
理解できないことも多いけど、続木さんには続木さんなりの行動規準があるはすだ。
今はそのスーツはクローゼットの中に辛うじて吊るされているけど。
でも、言わなかったらぽい投げしていただろうなぁ。
考えていたら、彼がクスッと笑った気がした。
「さすがに、普段着でプロポーズしたら……怒るかと思った」
……うん?
まぁ、そうかも。さすがの私でもパーカーにスウェットパンツでプロポーズされたら……怒っただろうねぇ。
「それから、俺がちゃんとした格好でプロポーズしているのに、お前が普段着のままなら、それも怒ると思った」
「ああ……」
それで“お洒落しておけ”だったのか。
確かにスーツ着た続木さんにプロポーズされた私が、トレーナーとジャージ姿だったら、すこし間抜けすぎて泣けていたかもしれない。
「後は……場所に怒るかと思ったから、一応、ホテルでも行こうかと予約はしていた」
「へ?」
一瞬、目が覚めた。ホテルの予約?
「24日は無理だとしても、25日の空きは案外簡単に確保できるんだが……さすがにそれはキャンセルしてもいいか?」
……ホテルの予約かぁ。ちょっぴりそそられるものもあるけど。