雫に溺れて甘く香る
「いつも通りに、カクテルとパスタか?」
聞かれた内容に頷きかけて、メニューを手に取る。
「ご飯もの、何かあった?」
何となくパスタより、ご飯もののお口になっちゃってるし。
「ピラフ系なら……」
続木さんが言いかけて、中野さんが厨房から顔を出した。
「あ。工藤さんだ。久しぶり~」
久しぶり……って……。そんなに久しぶりだった?
「毎週月・水・金のサイクルで来てたのに、どうしたのかなって思ってた」
「私ってそんなに定期的?」
「うん。工藤さんは連続で来ることもあるけど、だいたいそんな感じ。金曜まで来ないのは珍しい気がするよ」
それは、常連扱いされるわけだ。あまり気にしてなかったかもしれない。
ちょっと恥ずかしいけど、確かにメニューを見ないでも、篠原さんは勝手にダイキリを作るようになっていたな。
「エビピラフセットと、えーと……ホワイトレディってカクテルにします」
意地でも何か新しいものを注文することにしてメニューを閉じると、続木さんが顔を上げる。
「ホワイトレディ?」
「何かいけない?」
彼は首を振ってカクテルを作り始めた。
……続木さんもカクテル作れるんだ。
まぁ、篠原さんがいないなら、誰かが作らなくちゃいけないわけだし、それも当たり前か。
そうして出されたカクテルに短くお礼を言って、それを飲みながら……。
続木さんがポケットに視線を移したことに気がついた。
彼がポケットからスマホを取りだし、無言で……微かに口角を上げるのが見える。
聞かれた内容に頷きかけて、メニューを手に取る。
「ご飯もの、何かあった?」
何となくパスタより、ご飯もののお口になっちゃってるし。
「ピラフ系なら……」
続木さんが言いかけて、中野さんが厨房から顔を出した。
「あ。工藤さんだ。久しぶり~」
久しぶり……って……。そんなに久しぶりだった?
「毎週月・水・金のサイクルで来てたのに、どうしたのかなって思ってた」
「私ってそんなに定期的?」
「うん。工藤さんは連続で来ることもあるけど、だいたいそんな感じ。金曜まで来ないのは珍しい気がするよ」
それは、常連扱いされるわけだ。あまり気にしてなかったかもしれない。
ちょっと恥ずかしいけど、確かにメニューを見ないでも、篠原さんは勝手にダイキリを作るようになっていたな。
「エビピラフセットと、えーと……ホワイトレディってカクテルにします」
意地でも何か新しいものを注文することにしてメニューを閉じると、続木さんが顔を上げる。
「ホワイトレディ?」
「何かいけない?」
彼は首を振ってカクテルを作り始めた。
……続木さんもカクテル作れるんだ。
まぁ、篠原さんがいないなら、誰かが作らなくちゃいけないわけだし、それも当たり前か。
そうして出されたカクテルに短くお礼を言って、それを飲みながら……。
続木さんがポケットに視線を移したことに気がついた。
彼がポケットからスマホを取りだし、無言で……微かに口角を上げるのが見える。