雫に溺れて甘く香る
カフェバーは、やっぱり金曜日には混むってことね。
納得して頷きを返すと、篠原さんが出来上がったカクテルをトレイに乗せる。
「3番ボックス」
「はいよー」
軽い返事をしてから、中野さんが離れていった。
「……アイツがフロアに出ると店の雰囲気が居酒屋っぽくなる」
「あははは。続木さんはフロアに出たら一応は笑顔だけど、無口だもんね」
カップに注がれたオニオンスープを飲みながら笑うと、じっと篠原さんに見つめ返されているのに気がつく。
「何か?」
「いえ。別に……」
「篠原さんも案外無口だもんねー?」
「そうでもないですよ? 最低限、続木よりは話す方です」
「え。続木さんてそんなだんまりでしたか?」
「……食後はダイキリでいいんですか?」
「めちゃめちゃ話題変えたね? いいけど。お酒は薄目でお願いします」
そう言うと、篠原さんは無表情に頷いた。
「営業担当なんでしょう? 少しは強くなった方がいいんじゃないですか?」
「いいのいいの。たしなむ位で。女子の営業部員は、お酌することか多いんだもん」
「いつか痛い目みますよ?」
「じゃ、今日は少し濃いめで?」
「せめて宅飲みで試してからにしてください」
ですよねー?
納得して頷きを返すと、篠原さんが出来上がったカクテルをトレイに乗せる。
「3番ボックス」
「はいよー」
軽い返事をしてから、中野さんが離れていった。
「……アイツがフロアに出ると店の雰囲気が居酒屋っぽくなる」
「あははは。続木さんはフロアに出たら一応は笑顔だけど、無口だもんね」
カップに注がれたオニオンスープを飲みながら笑うと、じっと篠原さんに見つめ返されているのに気がつく。
「何か?」
「いえ。別に……」
「篠原さんも案外無口だもんねー?」
「そうでもないですよ? 最低限、続木よりは話す方です」
「え。続木さんてそんなだんまりでしたか?」
「……食後はダイキリでいいんですか?」
「めちゃめちゃ話題変えたね? いいけど。お酒は薄目でお願いします」
そう言うと、篠原さんは無表情に頷いた。
「営業担当なんでしょう? 少しは強くなった方がいいんじゃないですか?」
「いいのいいの。たしなむ位で。女子の営業部員は、お酌することか多いんだもん」
「いつか痛い目みますよ?」
「じゃ、今日は少し濃いめで?」
「せめて宅飲みで試してからにしてください」
ですよねー?