雫に溺れて甘く香る
あの時も……住所教えたかな? と考えて、確かに教えたと納得した。
篠原さんに紙を渡されて、それに住所を書いたよね。
だけど、メールまで教えた……?
しかも仕事用のアドレス。
ああ。結構ふざけ半分で名刺渡していたかも。
考えながらお茶を飲みつつ文面をスクロールさせて……。
【お前、いつになったら会いに来るんだ?】
その文面にお茶を噴き出した。
「え……えええ?」
「随分と馴れ馴れしい営業メールだなぁ」
「ぎゃあ!」
背後からの声に飛び上がって振り向くと、驚いた表情の先輩がいた。
「工藤さん。叫び声くらい女らしくした方がいい。そんなだから高杉に接待要員にされるんだよ」
いや、確かに“ぎゃあ”は無いかもしれないけど、び、ビックリしたー。
「……接待要員ですか?」
「三島開発の、セクハラ部長の接待に必ず呼ばれていただろ。高杉みたいな営業してる奴の営業方法を覚えるんじゃないぞ?」
「高杉さん……?」
言われて思い出したのは、私を“姉ちゃん”呼ばわりする部長さんだ。
あーヤダヤダ。絶対やだ。
「まさかぁ。覚えるつもりはありませんよー。でも、よく気がつきましたね。村田さん」
「アイツそういうの得意だから。それを真似しても結果が付くのは最初のうちだけで、そのうち潰れるだろうし。覚える前に工藤さんをこっちに引っ張ろうかなって狙ってた」
苦笑されて、苦笑を返す。
これって、助けてもらっちゃったのかなー?
篠原さんに紙を渡されて、それに住所を書いたよね。
だけど、メールまで教えた……?
しかも仕事用のアドレス。
ああ。結構ふざけ半分で名刺渡していたかも。
考えながらお茶を飲みつつ文面をスクロールさせて……。
【お前、いつになったら会いに来るんだ?】
その文面にお茶を噴き出した。
「え……えええ?」
「随分と馴れ馴れしい営業メールだなぁ」
「ぎゃあ!」
背後からの声に飛び上がって振り向くと、驚いた表情の先輩がいた。
「工藤さん。叫び声くらい女らしくした方がいい。そんなだから高杉に接待要員にされるんだよ」
いや、確かに“ぎゃあ”は無いかもしれないけど、び、ビックリしたー。
「……接待要員ですか?」
「三島開発の、セクハラ部長の接待に必ず呼ばれていただろ。高杉みたいな営業してる奴の営業方法を覚えるんじゃないぞ?」
「高杉さん……?」
言われて思い出したのは、私を“姉ちゃん”呼ばわりする部長さんだ。
あーヤダヤダ。絶対やだ。
「まさかぁ。覚えるつもりはありませんよー。でも、よく気がつきましたね。村田さん」
「アイツそういうの得意だから。それを真似しても結果が付くのは最初のうちだけで、そのうち潰れるだろうし。覚える前に工藤さんをこっちに引っ張ろうかなって狙ってた」
苦笑されて、苦笑を返す。
これって、助けてもらっちゃったのかなー?