雫に溺れて甘く香る
「目は正直なのに。どうして行動は真逆になるんだ?」
──……は?
また溜め息が聞こえて、目の前のコーヒーテーブルに、私を跨ぐような形で続木さんがドカリと座る。
「俺の行動、無にしないでくんない?」
「……え?」
「え……じゃなくて」
「行動……?」
ええと今さっきのワケわからない行動?
「また来るかって考えるのも、けっこうな賭けだったんだけど」
瞬きをしながら顔を上げ……そこに苦笑している続木さんを見つけてポカンとした。
「え?」
「お前は馬鹿か、それとも単なる鈍感か」
や。それはどっちもひどい。
「半年も音沙汰ないし。篠原には連絡先を教えときながら、俺には教えないし」
「え……と。うん。聞かれてないし」
「聞かれてなくても、教えるもんだろうが」
無茶苦茶な。
「な……んで?」
「なんでも」
何でも……って、
「全然、意味解らない! 知りたかったなら続木さんの方から聞けばいいじゃないか!」
「聞けるか馬鹿。あんな始まりだったのに……」
……そうだね。始まりが始まりだったからね。
「……何が言いたいの」
「何が言いたいんだろうな」
続木さんは溜め息をつきつつ片手で髪をかき上げると、そのままくしゃりと拳を握りしめた。
──……は?
また溜め息が聞こえて、目の前のコーヒーテーブルに、私を跨ぐような形で続木さんがドカリと座る。
「俺の行動、無にしないでくんない?」
「……え?」
「え……じゃなくて」
「行動……?」
ええと今さっきのワケわからない行動?
「また来るかって考えるのも、けっこうな賭けだったんだけど」
瞬きをしながら顔を上げ……そこに苦笑している続木さんを見つけてポカンとした。
「え?」
「お前は馬鹿か、それとも単なる鈍感か」
や。それはどっちもひどい。
「半年も音沙汰ないし。篠原には連絡先を教えときながら、俺には教えないし」
「え……と。うん。聞かれてないし」
「聞かれてなくても、教えるもんだろうが」
無茶苦茶な。
「な……んで?」
「なんでも」
何でも……って、
「全然、意味解らない! 知りたかったなら続木さんの方から聞けばいいじゃないか!」
「聞けるか馬鹿。あんな始まりだったのに……」
……そうだね。始まりが始まりだったからね。
「……何が言いたいの」
「何が言いたいんだろうな」
続木さんは溜め息をつきつつ片手で髪をかき上げると、そのままくしゃりと拳を握りしめた。