雫に溺れて甘く香る
イキナリ首筋にキスをされて、身体の芯が反応した。


「ちょ……っと、ま……っ!」

「待つのは飽きた」

今度は耳たぶを甘噛みされて、続木さんの肩を掴む。

しがみつきたいのか、押し返したいのか、自分でもよくわからない。

だけど、こんなの……。


「いや……っ!」

「何故?」

「だって……」


もう、寂しいだけは嫌。

好きなのに、心の通わないのは嫌。


好きなのに……好きだからこそ。


「抱かれるだけなんて嫌!」

「……だろうな」


 ──…はァ?


「お前も、いい加減にしろ」

忌々しいとでも言いたそうな続木さんの表情に、こちらはぽかーんと間抜け面をさらしてるんだろう。

「だいたい、先に進ませないのはお前のせいだろうが」

「ん?」

「抱かれたいだけなのか、それとも違うのかハッキリしろ」

「……え。あの……」

言い淀むと、そのまま続木さんはグイッとバスローブの襟元をずらし、開けた肩に唇を寄せてきた。

「あ……っ」

「俺を欲しがるくせに」

「や……あの……っ」

「関係ないなんて言わせんな」

「え……と。んっ」

それって私のせいなわけ?

太腿に指先で触れられて、足を固く閉じる。

「ちょっ!」

「黙れよ」

「黙れないし……んんっ!」

 唇を塞がれて、ソファーに沈んで行く。


何か……とっても大事な事を言われてる気がする。


気がするけど、理性がどんどん奪われてまとまらない。


こうされるのも好きだけど──
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