黒猫の住処

8drop

その夜、お母さんの作ったご飯を食べながら、大和のことを話した。大和の名前は言ってないけど。

窓から日差しが入って目が覚めた。
「ん…おはよう。やま…」
そう言いかけて、口を噤む。私の中で大和はどれだけ大きい存在になっていたんだろう。
でも、もう大和はいない。今日からは私だけで進まなくちゃいけないんだ。

お母さんがすごく心配していたけど、私は学校に向かった。
私が教室に入るとザワザワとしていた教室内は静まり返った。
そして、みんながこっちを向いて
「本当にごめん!!」
と頭を下げた。
えっ…?みんなが謝ってくれてる。
ミケのなら頑張れる。と大和の声が聞こえた気がした。その声に背中を押されて
「謝ってくれて嬉しい。これからいっぱい話してくれる?」
と自分の言葉を伝えられた。
みんなは驚いた顔をしてから笑って
「もちろん!!」
と言ってくれた。

放課後になると、女の子たちが
「今からカラオケ行くんだけど、美亜も行く?」
と話しかけてきた。
私は…私は素直にならなきゃ!
「うん!行きたぃ!」
あっ、声が裏返った!女の子たちの顔をみると
「じゃあ、行こっか!」
と笑って言ってくれた。
それからは、クラスのみんなで遊んだりして楽しい学校生活が送れた。

それは、笑って大和のおかげだよ。
大和、ありがとう。
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