黒猫の住処

2drop

「俺の家に来い」
と言ってくれた人は、とりあえず風呂でも入って温まってこいと言ってくれた。

お風呂はすごく温かかった。
カチャ
ドアを開けて
「ありがとうごさいました」
とお礼を告げるとその人は優しく微笑んで
「2人とも綺麗になったな。よし、お前の名前はこれから“クロ”だ!」
と、あの黒猫に名前をつけた。
そのまんまじゃん。
ふふっと口から笑い声が漏れる。
「あっ!なんでもないです」
そう言うとその人はこっちを向いてまた優しく微笑んだ。
「お前の名前はこれから“ミケ”だな。綺麗な栗色の髪に大きな茶色の瞳、だからお前はミケだ」
えっ…私、ここにいて良いの?
そう思うと涙が止まらなかった。
その人は優しく抱きしめてくれた。
私なんで初めて会った人の前でこんなに泣いてるんだろう。
それは、この家が温かいからだと気付いた。
< 3 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop