プリンセス騎士 ※更新中※
「“美穂ちゃん”から何度も電話、来てたよ♪」
「美穂から!?」
きっとあたしが学校に行ってないから心配してるんだ。
無事なことを知らせたいけど…今は無理。
でもなんとかしてここから出て知らせなきゃ。
と、不意に安藤拓人が持っていたスマホがなった。
少し機嫌が悪そうに電話に出る。
今だ!!
「ちょ!お前ら今すぐ捕まえてこい!!」
安藤拓人が顔を逸らしたこの一瞬を見逃さなかったあたしは、隙をついてソファーから立ち上がり勢いよく近くのドアを開けて逃げた。
後ろには数人の雷雲の幹部が追いかけてくる。
止まったら絶対捕まる。
捕まってたまるか!!
言っておくけど足の速さは中学の時はクラスで一番だったんだからね!
捕まえられるもんなら捕まえてみろ!!
と心の中で豪語したのはいいけどしばらく走るとやっぱり息が切れる。
お腹も痛くなってきてとてもじゃないけどもう走れない。
「こんな時になんで痛くなるかな…。スマホもないし、ここは敵だらけだし…」
壁に手をつきながらゆっくり歩く。
そんなあたしに追い打ちをかけるように幹部達があたしを見つけて追いかけてくる。