プリンセス騎士 ※更新中※
薄暗い廊下をあたしと楓くんは全力で走る。
「次そこ左に曲がるよ。」
「うんっ。」
躊躇なしに楓くんはどんどんと前に進む。
ここがどこなのか知ってるのかな?
あ、でも知ってなきゃ来れないよね。
「ねえ楓くん、ここはどこ?」
「ここは廃墟になったホテル。何年か前までは営業してたみたいだけど今はこんなになってる。」
「へ〜そうだったんだ。」
どうりでドアが多いわけだ。
それに廊下も長いし。
「ごめんね、楓くん。」
「なにが?」
「あたしのせいで…みんなに迷惑かけちゃって。」
あたしが捕まりさえしなければここに来る事もなかった。
楓くんも、陽一くん達も。
「迷惑だなんて思ってない。俺も、陽一達も。それよりここに来るまでが大変だった。」
「え?」
「陽一、何も言わずに1人で行こうとして。さすがに1人じゃ無理だって言っても聞く耳持たないし。だから仕方なく俺と陽一と洸と兄さんと遥先輩と来た。」
「えっ?!5人だけ!?」
敵の本拠地に乗り込むのにたったの5人って…
どれだけ喧嘩が強くたってそんなの無謀なんじゃ…