プリンセス騎士 ※更新中※
「兄さん、離れて気持ち悪い。」
横にいた楓くんが梓先輩を制し奥へ押しやる。
「ちょっとちょっと、俺だけ仲間外れにしないでよ。」
「うるさい。あっち行って。」
「楓〜ひとりにしな」
「消えて。」
まるでコントを見ているようでクスッと笑いがこみ上げてくる。
「ふふっ…ハハハハ♪」
「笑ったね。」
「陽一くん…。」
近くにあったイスを置くと未戸香の隣に座る。
「やっぱり未戸香は笑顔が一番。泣き顔なんて似合わないよ。」
「そう?ありがとう。」
陽一くんの隣、安心する。
心が落ち着く感じ。
あれ、前にもこんなのあったような…ってそんなことより今はカンニングの件をどうするか考えなきゃ。
キーンコーンカーンコーン
『1年4組 成海未戸香 至急校長室へ来なさい 1年4組 成海──』
「…行かなきゃ。」
「私らは未戸香の味方だよ!」
「うん、行ってくる!」
怖くないと言えば嘘になる。
でもね、今の私は強いから。
優しい視線を背中に浴びながら未戸香は前を向く。
「で、本題に入るか。」
未戸香がいなくなった教室で始まった秘密の会議。
この会議の内容は未戸香には絶対知られてはいけないルールがある。