プリンセス騎士 ※更新中※
先を歩く陽一に未戸香は走って駆け寄る。
と、急に止まられ背中に突っ込んだ。
「ちょっ、急に止まんな…陽一くん?」
前を向いたままぴくりとも動かない。
するとあたしを庇うように背中に隠した。
「どうしたの?」
「ちょっと黙って。」
いつもと違う、怒ってるときの声。
拉致られたときも同じ声だった。
少しだけ顔を出すと見えたのは3人の男。
赤のオールバックや金髪、スキンヘッド。
ひと目見て不良ってわかる。
陽一くんの存在に気づいた男達はズカズカと大股で近寄ってきた。
「桜高の岸本くんじゃん♪」
「ほんとだー。黒蝶のトップがなんでいんの?」
「俺がどこにいようとお前達には関係ない。」
「あ?」
陽一くん達とは違う、不良の姿に思わず身震いがする。
この人達、ほんとにやばい。
「あ、女の子♪」
未戸香を指さす赤のオールバック。
反射的に顔を隠すがもう遅い。
ジロジロと舌を出しながら見てくる男達。
気持ち悪い…。
早くここから逃げたい。
服を掴んでいた手に力が入る。
それを見ていた陽一は無言で未戸香の手を掴み歩きだした。
「おい!」
「マツさん、ここでやり合ったらやばいっすよ!姉さんに怒られます!」
マツ…姉さん…どこかで聞いたような。
どこだったけ、確かに聞いたはずなんだけど。