プリンセス騎士 ※更新中※






月が海に反射し、夜空には満点の星空が広がる深夜。

未戸香は砂浜で腰を下ろし呟いた。





「今日はいろいろあり過ぎた…。」





楓くんのこと、陽一くんのこと、スーパーで雷雲に会ったこと…

一日を思い返すとドッと疲れがのしかかる。


誰もいない静かな砂浜。

昼間と違ってなんだか幻想的な雰囲気。


何気なく立つと未戸香はおもむろに海に入った。

くるぶしまで波が押し寄せ、一人で「来ないでー!」なんて言って遊んでた。

どれだけ入れるのかと思ってどんどん海の中へ入ってく。

太もも辺りまで海水がきたとき、





「未戸香ダメーー!!!!」




美穂がものすごい勢いで未戸香の方へと走ってくるのが見えた。





「美穂っ?!」





慌てて海から出ると息を切らした美穂が肩を掴んで言う。





「死んだらダメ!!」

「え?」





シヌ?

誰が?あたし??



ぽかんとする未戸香に美穂は続けて話す。





「苦しいのはわかる。私も似た経験あるし…。でもだからって死ぬのはダメだよ!」

「ちょ、ちょっと待って美穂!」





ここに来た経緯と海に入った理由を美穂に話した。

すると美穂は「なんだぁ〜!!」と安堵してドカッと砂浜に座り込んだ。






< 164 / 220 >

この作品をシェア

pagetop