プリンセス騎士 ※更新中※
「ごめんね」と言って隣に座る。
ふとさっき美穂が言っていた言葉が気になり遠慮気味に問いかけてみた。
「ねえ美穂…さきっの、“似た経験ある”って…」
「うん。私も中学のときさ、テスト中に“隣の人の答えを見て写した”って私のこと嫌いな女子達に嘘つかれちゃって。最終的には全教科0点にされてさ…」
「全教科も!?」
「教師達はめんどくて関わりたくなかったの。私の話なんて聞かずに一方的に“お前は最低だ”って。」
なにそれ。
ろくに調べもしないで最低なんて酷すぎる。
「でもね、私には陽一達がいたから。一人じゃなかったから辛くなかったの。」
「それわかるよ。あたしも美穂や陽一くん、洸くんや楓くん達がいたから辛いことも乗り越えてきた。」
姫になったのは美穂がいたからで、姫として過ごせるのは陽一くんがいるおかげ。
姫としての自覚もみんなのおかげで持てた。
そのせいで危険な目にも合ったりするけど、その度に助けに来てくれるヒーロー達があたしのそばにはいつもいる。
「陽一くん、洸くん、楓くんってあたし達のヒーローだね♪」
「うん!3人にはぴったりの名前♪」
楽しくて舞い上がった未戸香と美穂はキャッキャと小さな波と遊び始めた。
時間帯なんて2人には関係ない。
ただ、今この時間を思いっきり楽しむ。
…人はいつ消えてしまうかわからないから。
めいいっぱい生きよう。