プリンセス騎士 ※更新中※
20時ちょうど。
満点の星空に大輪の華が咲き誇った。
未戸香と陽一はベンチでその様子を見上げる。
「綺麗だね。」
「うん、来てよかったよ。」
自然に笑顔が生まれ和む。
と、目の前で女の子が転んだ。
お互いに「あっ…!」と声が重なる。
「「大丈夫?!」」
言ってることが同じなことに気づかない2人。
「怪我は?」
「切れちゃってる。あたし絆創膏持ってる!」
わんわんと泣く女の子に「もう痛くないよ♪」と言って貼るとすぐ泣き止んだ。
「ほら、もう大丈夫。」
「痛くない?」
「…うん。」
優しく涙を拭き取る陽一くんの仕草に「ふっ…」と笑が溢れる。
「お姉さんとお兄さんは恋人なの??」
可愛らしく首をかしげて聞いてくる女の子にしどろもどろになる2人。
チラッと見ては逸らすの繰り返し。
と、遠くから女の子を呼ぶ女性が駆け足で向かってきた。
「ママー!」
「もう心配したでしょ!」
「ありがとうございました」と言うお母さんの隣で手を繋ぎながら手を振る女の子。
結局誤解されたままだけど終わりよければ全てよし、だよもんね。
女の子が見えなくなると2人はベンチに戻って空を見上げた。