プリンセス騎士 ※更新中※
今日も麗華さんの姿はどこにもなかった。
教室に行って見たけどまだ来れる状況ではないとか…
暴力を振るわれそうになったんだ。
そう簡単には心の傷は癒えない。
麗華さんが一日も早く学校に戻れるように、と願うことしか出来ない自分に苛立ちさえ覚えそうになる。
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「ほんとに平気なの?」
「大丈夫だって!心配しないで。」
あれから遥先輩が付き添ってくれていた登下校も時間が合わず時々一人で帰ることがあった。
今日もたまたま遥先輩に用事が出来てしまったため一人で帰ることに。
「でも」
「心配性だな〜美穂は。ほんとのほんとに平気だって!また明日ね♪」
心配する美穂をよそ目に未戸香はイヤホンをして歩き出した。
向かうのは家、ではなく駅前。
今日はケーキが食べたい気分だから買って帰ることにした。
欲しかったケーキを買い終え、お店から出た時、
「え…?夢?」
少し先の質屋さんの前でいるはずのない人影を見た。
何度もほっぺを叩き何度も目を擦った。
でも、やっぱりいるのは…麗華さんだ。
いつもの麗華さんの姿からじゃ想像も出来ないほどの派手な服を着て見たことのない男の人と腕を組んでる。
楽しそうに会話しながら…キスまでしてる。
陽一くんと別れたの?
そんな話聞いてないけど。
それより学校に来れないはずの麗華さんがなんでここに…
それに今あたしが見てる光景はなに?
…浮気現場ってこと?
視界にうつる彼女はまるで別人。
隣の男の人と何度もキスを交わす。
暴力で傷ついているはずの麗華さんではなかった。
一瞬ほんとに別人なんじゃ…、って思った。
けど、彼女が腕につけているブレスレット、あれは麗華さんがつけていたブレスレットと同じ物。
つまりは別人なんかじゃなく、目の前にいるのは紛れもなく蛯原麗華本人。
突撃しようかと思ったけど後日、麗華さんが学校に来たら改めて話そうと決めた。