プリンセス騎士 ※更新中※






──8月28日。

あれから3日が経った。

今日は麗華さんが来てくれると願い部屋を出た。



玄関に着くと陽一と洸と楓がいたので未戸香は走って駆け寄った。





「おはよー。」

「未戸香ちゃんおはよう。」

「おう!」

「おはよう、未戸香。」





今日も麗華さんは来てないのか。

陽一くんが2人といるってことはそういうことだよね。





「未戸香寝癖ついてるよ。」

「えっ!どこ!?」





いつもの笑顔で笑う陽一くん。

麗華さんといるときの笑顔より、今の笑った顔の方があたし、好きだな。


つくづく彼に惚れてるんだとなと自覚させられる。

と、後ろから軽快な鼻歌が聞こえてきた。

その鼻歌はあたしの真後ろで止まり、「みんなおはよう」と声を出した。





「麗華さん…」

「未戸香ちゃんおはよう♪みんなもおはよう♪」

「もう大丈夫なの?」





あたしの横を通過しすかさず陽一くんの腕に絡みつく。

未戸香は2人の会話には耳も貸さずに絡みつく腕に視線を落とした。



やっぱり…

あの時の女の人は麗華さんで間違いない。



質屋さんの前で見た女の人と同じブレスレットを見てあたしの心は決まった。


もう麗華さんに対する優しさも尊敬もない。

あるのはただひとつ、軽蔑だけ。






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