蒼天にむかって
君との出会い (理沙)
《それは、十七年前のこと………》
「りっちゃーーーーん!!! ゆうきーーーー!!!」
私と夫の友輝(ゆうき)が、公園のブランコに腰かけて赤ちゃんをあやしていると、とても元気な声が聞こえた。
元気な声の主は、私の大親友、心菜(ここな)だ。
両手で赤ちゃんを、大事に抱き抱えながら、駆け足で私達の所まで来た。
その後ろでは、心菜の夫である友也(ゆうや)が、苦笑いしながら歩いて来た。
私達4人は、保育園からの幼なじみ。
たまたま同じ時期に赤ちゃんが産まれて、一緒に名前を決めようということになった。
その為に今日は、みんなとの思い出の公園に集まったんだ。
ぎゅーっっ
「わっ‼」
いきなり抱きついてきた心菜に、思わず声をあげてしまった。
「何ぼーっとしてるのよ。あっ、もしかして、私の赤ちゃんが可愛くて放心状態になっちゃった?」
ニヤリと怪しげな笑みを浮かべながら変なことを言うのは、心菜の癖だ。
長年の付き合いなので、みんなこういうときの扱いに慣れている。
「はいはい。」
そう言って適当に返事をすれば、何とかなる。
と思ったんだけど、今日は違ったみたい。