プリフックス byリトルハート
「そう。これはゲームだよ。いわゆるRPG。
そして、あなたはその中のコマの1つ。
ゲームを成り立たせる上で必要な存在。
……もっとも、あの子はほとんど、ゲームオーバー(チェックメート)にしているみたいだけど…。」
「まるで子どもだね…。」
「そうよ。あの子は子どもだよ。決して大人になれない子ども。」
「大人になれない子ども?」
「あの子の時間はすでに止まっているの。子どものままね。
その時間を動かすことは私にも、神にも出来ない。
だからあの子は私と契約した。時間が動かないのなら自分がいれる空間が欲しいと。私はその手伝いをしたまでよ。」
「でも、なぜ私までその空間の中で操られているんだ?」
「それは、あなたがあの子の記憶にある唯一の人だから。
あの子のことを知っていたあなたは、あの子の1つのコマとして必要だったのよ。
あの子の歩めなかった道を歩いているあなたがね…。」
少女は少し寂しい顔をした。