あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


少しだけ落ち着いてから戻ると、オフィス内は慌ただしかった。

主任がどこかに電話を掛け続けている。
それはいつものことだが、その雰囲気がどこか慌てた様子だ。

トラブルでも起こったのかもしれない。

「ごめん。春日くん。何があった?」

近くにいた春日くんを捕まえて、尋ねた。

「あ、中田さん!主任が探してましたよ。どうも手違いで、『starlight』さんの商品が別のスーパーに届いたらしいんです」

ちょうど受話器を下ろした井上主任と目があった。目配せでこっちに来いと言っているようなので、春日くんにお礼を言って、彼の元へ向かった。

「主任。すみません。席を外していました」

「いやそれはいい。トラブル発生だ。中田」

「商品の手違いだそうですね」

彼の眉間には深い皺がクッキリと刻まれている。

「今『starlight』の平野さんから連絡があって、大阪支店に届いた商品が、普通の『紅茶日和』だったらしい」

『starlight』に届けるべき紅茶のペットボトルは、キララくんが載った限定ラベルだ。

「キララくんが載ったペットボトルは?」

「横浜にある別のスーパーだ。キララくんとは全く無縁の」

主任がため息をついた。

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