あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「主任!『紅茶日和』50箱は横浜工場に在庫があります!」
受話器を持った営業事務の子が主任に向かって、叫んだ。
「それ押さえて。今すぐ取りに行くから出荷の準備をしてもらえるよう伝えて」
「キララくんパッケージなら群馬工場に在庫有りとのことです」
飛び交う大声。
その中で私はどうすることも出来ずに主任の隣に立っていた。
「小松、春日。悪いけど、横浜工場に行ってきてくれ。50箱をスーパーにきちんと納品して、手違いだったキララくんパッケージを回収してきてくれ」
「わかりました!」
営業部にいた小松さんと春日くんは主任の声で即座に動き始め、あれよこれよという間に、フロアから消えていた。
「大阪支店は俺が担当する。矢田部長がそのうち会議から帰ってくるから、以後の指示は部長に仰いでくれ」