あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


「流石に、妊婦さんは襲わないから。おいで」

主任が自身の隣のベッドをトントンと叩く。

……よく考えたら、主任と一緒に寝たことないな、なんて考えながら。

ベッドとベルトをハンガーに掛けて、そっと、主任の隣に潜り込んだ。

目の前に主任が来るのは気恥ずかしくて、彼に背中を向けた。

「お、湯たんぽ来た」

主任はおどけたように言って、私を後ろからギュっと抱きしめる。

その肌がひんやりしていて、肌寒いなか、お仕事頑張ったんだなって思った。

「お仕事、お疲れ様です」

回される腕にそっと触れると、主任がフッと笑った気配がした。

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