あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


「ええ!主任に限ってそんなこと……」

女子社員たちのうわさ話はまだまだ続く。
……暇なのかな。

「わかんないでしょ?主任の子供かなんて、言わなきゃわからないもの」

「……確かに」

……そこは違う。
どう計算しても、主任しかありえない。

……元婚約者の勇輝とだって、引っ越しが忙しくて……ご無沙汰だったし。

しかし、まぁ、そこを否定しても時間の無駄だし。
『starlight』キララくんパッケージの売れ行きをグラフにしなくちゃならないのだ。

「……でもさ。主任も自分の子供だ、って言われて、納得するぐらいだから、そういうことやってたってことでしょ?」

「そうよね。主任としては遊び感覚だったんじゃないの?意気消沈してる女がいたから丁度いいやって」

そうかもねって、同意の声と小さな笑い声が響く。

心臓がキュッと締め詰められる。

……遊び感覚。
そう言われても仕方のない関係だった。

確かに私は、主任から愛の言葉をもらったことはない。

「だとしたら、主任にとって、本当に迷惑な話だよね」

「本当。可哀想」

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