あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「綾音。俺が君のご両親の前で言った言葉を覚えてないか?あのときの言葉、全部が心からの本心なんだ」
"そんな綾音さんだからこそ、好きになりました"
私は演技とはいえ、そう言ってくれた主任に喜んだ。
主任が私をそっと見た。
その目はどこか照れたような瞳だ。
「……あれは、両親を安心させるための演技じゃないんですか?」
「プライベートで、俺は嘘はつけない。不器用な男なんだ」
「今まで、そんなこと、言わなかったじゃないですか。私、ずっと、主任にとって都合のいい女なんだって……!」
堪えていた気持ちが溢れ出す。
今までの不安も、苦しみも。