あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「あと2ヶ月、営業部を支えてくれ」
「もちろんです!私、営業部のお仕事、大好きですから」
綾音の熱意とやる気。
そして、丁寧な仕事。
だから、綾音は補佐の中で一番、責任ある仕事を任されているのだ。
「でも……綾音が抜けたあとの営業部は不安だな」
綾音が入社して三年。
ずっと綾音がいたから、抜けてしまったあとが、想像できない。
ボソッと不安を呟くと、綾音は大丈夫ですよ、と微笑んだ。
「松山さんが来られてから、補佐の皆さん、彼に褒められようと必死ですからね。私の穴埋めなんて、幾らでもしてもらえますよ」
「……松山さん、ね」
そういえば、松山さん。
色んなことがあって、忘れていたが。
「松山さんって、『starlight』の平野さんの元カレだって」
今日知った事実を告げると、彼女は目を見開いた。
「そうなんですか!?」
「やっぱり驚くよな。俺も驚いた」