あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


「貴幸さんは、仕事ではとても器用にこなしていくのに、プライベートでは、そんなことなくて。ホントに不器用で。

だから、女の子と遊ぶなんて、そんなことできませんよ」

「なっ……!?」

平然と綾音が言い返すから、吉岡さんは絶句する。

「何を根拠にそう思うのよ!?」

「あのひと、結構ヘタレなところがあるから」

へ、ヘタレって……。
綾音、俺本人がいるって分かってて……ヘタレって。

後ろから松山さんが笑いを堪える気配がするんだが……。

そんな俺たちに構わず、綾音は続ける。

「そんな他人の信頼を失うような、馬鹿な真似はできません」

「……」

「そうですよね?貴幸さん」

< 209 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop