あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「貴幸さんは、仕事ではとても器用にこなしていくのに、プライベートでは、そんなことなくて。ホントに不器用で。
だから、女の子と遊ぶなんて、そんなことできませんよ」
「なっ……!?」
平然と綾音が言い返すから、吉岡さんは絶句する。
「何を根拠にそう思うのよ!?」
「あのひと、結構ヘタレなところがあるから」
へ、ヘタレって……。
綾音、俺本人がいるって分かってて……ヘタレって。
後ろから松山さんが笑いを堪える気配がするんだが……。
そんな俺たちに構わず、綾音は続ける。
「そんな他人の信頼を失うような、馬鹿な真似はできません」
「……」
「そうですよね?貴幸さん」