あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「……っ……綾音!?」
俺の腕を掴みながら、ズルズルと崩れていく綾音の身体。
座り込んでしまった綾音を支えようと俺もしゃがみこむ。
「どうした!?綾音!」
額には冬だというのに、大量の汗が流れている。
顔も真っ青だ。
異常に気づいた矢田部長と松山さんも駆け寄ってくる。
綾音はお腹に手を当てながら、荒い息をしている。
「中田さん!大丈夫かい!?」
「……い、たい……お腹……」
かろうじて、声をしぼりだした綾音は、歯を噛みしめた。
「綾音!!!」
綾音は俺の腕のなかで意識を失くした。