あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
入ってきたのは、営業部お馴染みのメンバー。
先頭は、矢田部長。
その一歩下がったところに春日。
何やら重たそうな荷物を持たされている。
そして、寄り添うように立っているのは、松山さんと『starlight』で大変お世話になった平野さん。
元恋人同士だったこの2人。
最近とうとう復縁したらしい。
「矢田部長に、春日くんに、松山さんに、平野さんまで!」
突然の来訪者に綾音は驚きつつも、嬉しそうだ。
「中田さん。おめでとう」
「ありがとうございます」
「これは、僕たちからのお祝いです」
矢田部長のお祝いのあと、春日が俺に渡してきたのは、大きな箱だった。
中は結構ずしりとしている。
「ありがとうございます」
ダンボール箱を抱えたまま、お辞儀をする。
「中身はおしりナップですよ。これから、1番必要になるものだから、出産祝いは、いつもこれにしているんです」
そう教えてくれたのは、平野さんだ。
「お祝い何がいいのか相談したら、これがいいって、陽子が教えてくれたんだ」
「助かります!平野さん!まだ数日しかお世話していないけど、赤ちゃんのオムツ替えの頻度には驚いているんです」
綾音は真幸を抱いたまま、お辞儀した。
そうなのか、と驚く。
まだ平日の仕事終わりに真幸を見ることぐらいしかできていないから、まだ子育てというものを、やったことがあまりない。