あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


せっかくの日曜日。
今だって、俺が真幸を預かって、綾音にのんびりしてもらいたいのに、何故か俺が抱っこすると真幸は大泣きし出すのだ。

苦笑した綾音に抱っこを変わると、すやすやさっきの癇癪はなんだったのだと聞きたくなるくらいよく、眠る。

「名前は決めたのか?」

松山さんが尋ねてくるから俺はダンボール箱を備えの椅子に置きながら、答えた。

「真実の『真』に幸せと書いて、『まさき』です」

「真幸ちゃんか。いい名前だ」

矢田部長はまるで自分の孫でも生まれたかのように、破顔しながら、真幸の顔を覗き込む。

「綾音さんに似て、美人になりそうですね」

「私はそんな美人じゃないですよ。平野さん」

真幸の背中を優しく撫でてあげながら、微笑んだ綾音の笑顔が眩しい。

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