あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


だんまりの私に助け舟を出したのは、勇輝自身だった。

「話は五分もかからないから、ここでいいよ。話が終わればすぐに俺は帰るから。上司の方に訊かれて困る話じゃない」

最後の方は、勇輝は主任を見て話していた。そして、私のほうを見て、ニコっと微笑んだ。

勇輝は気づいているんだ。私が、主任のそばにいたい気持ちに。

「綾音。先週、君のご実家に行って来たよ」

「うそ。私の実家に?」

驚いた。まさか、彼一人で謝罪したということ?

「もちろん、謝罪に行った。さすがにあんな終わらせ方は君のご両親にも申し訳ないと思ったから」

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