あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


『starlight』さん、オススメの居酒屋という所に連れて来られた。

テーブル席に、主任と並んで座る。
私の前には、男性社員の橋本さんが、主任の前には、平野主任が座った。

「まず初めは、ビールでいいですか?」

平野主任の言葉に、私は慌てて声を上げようとしたとき。

「あ、中田は烏龍茶でお願いします」

言葉は主任が代わりに言ってくれた。

主任。覚えてたんだ。
私がお酒を呑めないこと。

初めての夜。
一緒に食事をして、アレルギーの話をしていた。

「中田さんは呑めないんですか?」

問いかけてきたのは、橋本さんだ。
私はコクリと頷いた。

「アレルギーなので、一滴も駄目なんです」

私の言葉に、時々、場の空気を壊さないで、なんて言ってくる人がいる。

確かにみんなで飲もうかってときに、自分だけ飲まないと、除け者になってしまう。

だけど、橋本さんも平野主任も、温かい目で頷いてくれた。

「わかりました。では、中田さんには、烏龍茶を」

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