あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


「はぁ?何よそれ!」

次々と差し出される仕事をがむしゃらにこなすうちに、昼休みになり、私とみのりは会社近くのイタリアンに入った。

それぞれ食べたいパスタを注文したあと、私はお水を飲みながら、みのりに結婚を白紙に戻すことを告げ、その理由も素直に話した。

私の話を黙って聞いていたみのりが開口一番に言った言葉が冒頭のそれだ。

彼女は普段クールなのだが、怒るといつも大きな声を出す。周りに迷惑かけていないか、思わず辺りを見回してしまった。

大丈夫。うん。みんな自分の話に忙しそうだ。

「ちょっと、綾音。なんでそんな自分勝手な男、あっさり許しちゃうの!?」

「いや、何も、あっさり許したわけじゃ……」

「あっさりじゃないの!なんで3年間も他の女考えていた男に罰加えないの!!素直に帰しちゃうの!!」

「だって、素直に帰さなきゃ、彼の前で泣いちゃいそうだったもん……」

私の言葉に、みのりはハァとため息をつく。

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