あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
「大丈夫か。中田」
「……大丈夫、だと思います」
いつの間にか、本当に眠りについていたらしい。
主任に肩を揺さぶられて、目を覚ました。
「今日はゆっくり休め」
タクシーは私の家のマンションの前に停まっていた。私は鞄を持って、タクシーの外に出る。
冗談なしに、身体の具合が悪い。
ふらつきそうになるのを、懸命にこらえて、私は主任に頭を下げた。
「主任。今日はありがとうございました」
「日曜出勤ご苦労様。明日も辛いようなら、無理はするな」
「はい」
そうは言われても、まだまだ忙しい日は続く。仕事に穴を開けるわけにはいかない。
私が中に入るまでは、主任は帰りそうになかったから、私はマンションの中に入った。