あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
07芽生えたものは
「おはようございます」
翌日、出勤すると、もう井上主任と矢田部長がすでに仕事を始めていた。
「おはよう。中田さん」
矢田部長がパソコンから顔を上げて、微笑んでくれた。
朝からその穏やかな笑みに、私は少し救われる。
体調は戻らなくて、胸焼けがひどい。
朝食は何も喉を通らなかった。
「おはよう、中田。体調は?」
「大丈夫です!昨日休んだおかげで、だいぶ楽になりました」
いつもの笑顔ってこんな感じだったかなって、考えながら、笑った。
しかし、主任の眉が潜められる。
矢田部長も心配そうな目で私を覗き込んできた。
「中田さん、顔色悪いよ?本当に大丈夫かい?」
「大丈夫ですよ。矢田部長」
矢田部長にも井上主任にも心配されるとは、私の顔色は相当悪いらしい。
この頃夜も冷えるから、風邪でも引いたのかもしれない。