妖怪なんて見たくない!
「…………そんなに妖怪が嫌いなの?」
「…………あいつらは視えるやつらを不幸にする。そもそも人間とは感覚が違う。
お前は妖怪と相容れると思ってるみたいだけど、俺はそうは思わねぇ。」
下を見つめたまま、そう言う柊木蘭。
「おまえもそのままだといつか、痛い目見る」
こいつ、私のこと嫌いなくせに。
ーー本当はすっごい優しいやつなんだーー
葉折くんの言葉が頭の中で流れる。
「痛い目見たら、その時はその時でいいや」
「…………バカは脳天気でいいな」
なんだか今の柊木蘭は言葉の毒をほとんど感じない気がする。